CPU-Zを使えば中古PCの本当のスペックがわかる

中古PCを購入したとき、「本当にスペック通りなのか?」と不安に感じたことはないでしょうか。
実は、中古PCではスペック詐欺や誤表記が意外と多く、購入後に「思っていたものと違った」と後悔するケースが少なくありません。例えば、以下のようなトラブルがあります。
- 「Core i5搭載」と書かれていたのに、実際は古いCore i3だった
- メモリ8GBのはずが、4GBしか搭載されていなかった
- SSD搭載とあったが、中を開けてみたらHDDだった
こうしたスペックの違いに気づかないまま使い続けると、パフォーマンスが低い原因を正しく把握できず、最適な対策も取れなくなってしまいます。
そこで活用できるのが、「CPU-Z」という無料のPCスペック確認ツールです。CPU-Zを使えば、以下のような情報を正確に診断できます。
- CPUの種類・クロック数・コア数 → 販売ページの表記と一致しているか確認
- メモリの規格・容量・動作クロック → 搭載されているメモリの種類や動作速度をチェック
- マザーボードのメーカー・型番・BIOSバージョン → 古いBIOSの場合、最新のパーツとの互換性に影響する可能性あり
- グラフィック情報(内蔵GPU / 外付けGPU) → 外付けGPUが搭載されているかどうかを確認
本記事では、実際に「GMKtec G9」を例に、CPU-Zを使ってスペックを診断する方法を解説します。中古PCの性能を正しく把握し、最適な使い方やアップグレード方法を検討するための参考にしてください。

GMKtec G9 は、「GMKtec G9 レビュー!NASもOKな高性能ミニPCの実力を徹底検証」にてレビュー記事を書いてます。
日本語化パッチの導入方法
- CPU-Zをインストール(またはZIP版をダウンロード)
- 以下のサイトから日本語化パッチをダウンロード
👉 CPU-Z日本語化パッチ配布ページ - パッチを適用して、設定を変更
- CPU-Zを再起動し、日本語表記になっているか確認
日本語化することで、「CPU」「メモリ」「マザーボード」などの情報が直感的に理解しやすくなり、初心者でも迷わず使えるようになります。
💡 特に、PC初心者や英語が苦手な方にはおすすめの方法です!
CPU-Zで診断できる情報&活用ポイント

CPU-Zは、PCのハードウェア情報を詳細に取得できるツールです。特に、中古PCを購入した場合、販売ページのスペック表記と実際の構成が一致しているかを確認するために役立ちます。
このセクションでは、CPU-Zで確認できる主要な情報と、それがなぜ重要なのかを解説します。
CPU情報の確認(PCの心臓部)

CPUは、PCの処理能力を決定する最も重要なパーツのひとつです。CPU-Zでは、以下の情報を確認できます。
- モデル名(例:Intel Core i5-1135G7 / AMD Ryzen 5 5500U など)
- クロック数(動作周波数)(例:2.4GHz / 最大4.2GHz など)
- コア数・スレッド数(例:4コア8スレッド / 6コア12スレッド など)
活用ポイント
- 販売ページに記載されていたCPUと本当に一致しているかを確認する
- 動作クロックが異常に低くなっていないか(省電力設定やスロットリングの影響がないか)をチェックする
CPUの動作クロックが異常に低い?原因と対処法
CPU-Zを使ってCPUの動作クロックを確認した際に、「思ったよりも低いクロックで動作している」と感じることがあります。
正常な動作なのか、何か問題があるのかを判断するための目安を以下にまとめました。
✅ 正常な動作クロックの目安
CPUには 「ベースクロック」(通常時の動作周波数)と 「ブーストクロック」(負荷時の最大周波数)が設定されています。
例:Intel Core i5-1135G7 の場合
- ベースクロック:2.4GHz
- ターボブースト時:最大4.2GHz
💡 正常な状態の目安
- アイドル時(PCが何もしていないとき) → 1.0~2.4GHz(省電力のため低クロックで動作)
- 負荷がかかったとき(動画編集やゲーム) → 3.5~4.2GHz(ブーストクロックに上昇)
⚠ 異常な動作クロックのケース
次のような状態になっている場合、動作クロックが異常に低い可能性があります。
1. 常に低クロック(例:0.8~1.2GHzのまま)
✅ 疑われる原因
- CPUの電源設定が「省電力モード」になっている
- Windowsの「電源プラン」が「バランス」や「省電力」になっている
- BIOSの設定でCPUの動作が制限されている
✅ 対処法
- Windowsの電源プランを「高パフォーマンス」に変更(設定 → システム → 電源とスリープ → 電源の追加設定)
- BIOSでCPUの省電力設定(EIST, C-States)を確認し、無効化する
2. 負荷をかけてもベースクロックを超えない
✅ 疑われる原因
- CPU温度が高すぎて、サーマルスロットリング(熱暴走による性能制限)が発生
- 電源不足でブーストが効かない(ACアダプタが適切でない場合など)
- バッテリー駆動時でパフォーマンスが抑えられている
✅ 対処法
- CPU温度を確認する(HWMonitorやHWiNFOを使う)
- PCの排熱をチェックし、冷却ファンやサーマルパッドを活用する
- 電源に接続した状態で動作を確認する
3. 一部のコアだけ極端に低クロックになっている
✅ 疑われる原因
- WindowsやBIOSの省電力設定で、一部のコアが休止状態になっている
- CPUの負荷分散がうまくいっていない(ソフト側の問題)
✅ 対処法
- タスクマネージャーでCPUの動作状況を確認し、全コアが有効かチェック
- BIOSで「Intel Turbo Boost」や「AMD Precision Boost」が有効になっているか確認
📌 まとめ
- 動作クロックが常にベースクロックより低いまま → Windowsの電源設定やBIOSの影響を確認
- 負荷をかけてもブーストクロックにならない → サーマルスロットリングや電源不足を疑う
- 一部のコアだけ極端に低い → 省電力設定や負荷分散の影響を確認
CPU-Zの「Core Speed」項目を見ながらこれらをチェックすると、正常かどうか判断しやすくなります。
メモリ情報の確認(PCの作業領域)

メモリ(RAM)は、PCの処理速度に直接影響する重要な要素です。CPU-Zでは、以下の情報を取得できます。
- メモリの種類(DDR4 / DDR5 など)
- メモリの容量(4GB / 8GB / 16GB など)
- 動作クロック(例:3200MHz / 2666MHz など)
活用ポイント
- 販売ページの記載と実際のメモリ容量が一致しているかを確認する(8GBのはずが4GBだった、など)
- 動作クロックが適切かをチェックする(低クロックで動作している場合、BIOS設定を見直す必要がある)
- シングルチャンネル or デュアルチャンネルを確認する(デュアルチャンネルのほうが性能が向上する)
シングルチャンネルをデュアルチャンネルにする方法
CPU-Zを使って「Memory」タブを確認した際に、Channel #(チャンネル数)が「Single」 になっている場合、それはメモリがシングルチャンネルで動作している状態です。
デュアルチャンネルのほうがメモリ帯域が倍になり、データの転送速度が向上するため、できるだけデュアルチャンネルで運用するのが理想的です。
もし、シングルチャンネルだった場合は、以下の方法でデュアルチャンネルに変更できます。

お手持ちのPCのメモリスロットに空きがあるかを必ず確認しましょう。SPDタブにあるスロット選択ドラップダウンに複数表示されていればスロットは複数あります。

✅ デュアルチャンネルにする方法
方法①:メモリをもう1枚追加する(最も簡単)
デスクトップPCや一部のノートPCでは、メモリスロットが2つ以上ある場合が多く、もう1枚メモリを増設すればデュアルチャンネルにできます。
📌 例
- 「8GB(1枚)」なら、同じ8GBのメモリを追加(合計16GB)
- 「16GB(1枚)」なら、同じ16GBのメモリを追加(合計32GB)
💡 注意点
- メーカー・型番・スペック(容量・クロック数・DDR4/DDR5)を揃えるのがベスト
- スロットの位置を確認し、指定の組み合わせ(A1+B1など)で取り付ける
- ノートPCの場合、空きスロットがあるか事前に確認する
方法②:既存のメモリを取り外し、2枚セットのメモリに交換する
もし、同じメモリが手に入らない場合や、相性問題が不安な場合は、2枚セット(Dual Kit)のメモリを新しく購入して交換 するのがおすすめです。
📌 例
- 「8GB(1枚)」→ 「4GB×2枚」に交換(合計8GB)
- 「16GB(1枚)」→ 「8GB×2枚」に交換(合計16GB)
💡 この方法のメリット
- 完全に同じメモリを使うため、相性問題が発生しない
- 確実にデュアルチャンネルで動作する
方法③:BIOS設定を確認する(まれに必要)
一部のPCでは、メモリを2枚挿してもデュアルチャンネルにならないことがある ため、その場合はBIOS設定を確認してみましょう。
📌 BIOSでチェックすべき項目
- 「Memory Channel Mode」 → 「Auto」または「Dual Channel」に設定
- 「XMP(Intel)」または「DOCP(AMD)」を有効化(メモリの動作クロックを最適化)
📌 まとめ
状況 | デュアルチャンネルにする方法 |
---|---|
メモリ1枚のみ | 同じ容量・スペックのメモリをもう1枚追加 |
メモリの追加が難しい | 2枚セットのメモリに交換(Dual Kit) |
2枚挿してもシングルのまま | BIOS設定を確認する |
マザーボード情報の確認(PCの土台)

マザーボードは、CPUやメモリ、ストレージを接続する基盤となるパーツです。CPU-Zでは、以下の情報を確認できます。
- メーカー名と型番(例:ASUS PRIME B450M / MSI B560M など)
- BIOSバージョン(例:Ver.1.2.0 / 2023年リリース など)
- チップセットの種類(例:Intel H510 / AMD B550 など)
活用ポイント
- BIOSが古い場合、アップデートが必要か確認する(最新CPUやメモリとの互換性に影響する可能性あり)
- マザーボードの型番を確認し、どのパーツに交換・増設できるかを判断する
マザーボードの型番から交換・増設できるパーツを確認する方法
1. CPUの交換可否を調べる(ソケットの種類を確認)
🔍 CPU-Zの「Socket」欄をチェック
→ 例:「Socket AM4」「LGA1200」など
📌 ソケットが違うとCPUを交換できない
- Socket AM4 → Ryzen 3000/5000シリーズ対応(例:Ryzen 5 3600 → Ryzen 7 5800X に交換可能)
- LGA1200 → Intel 10/11世代対応(例:Core i5-10400 → Core i7-11700 に交換可能)
- マザーボードの型番を元に、メーカーの公式サイトで「対応CPUリスト」を確認する!
- BIOSアップデートが必要な場合があるので注意!
2. メモリの交換・増設可否を調べる(メモリの種類&最大容量)
🔍 CPU-Zの「Memory」タブ → 「Type」を確認
→ 例:「DDR4」「DDR5」
📌 マザーボードが対応しているメモリの種類をチェック
- DDR4対応なら、DDR5メモリには交換不可(逆も同じ)
- スロット数&最大容量を確認(例:最大64GBまで増設可能か?)
増設する場合のポイント
- 現在のメモリの種類と同じものを選ぶ(DDR4ならDDR4)
- 最大容量を超えないようにする(例:16GB搭載 → 32GBに増設可能か?)
- デュアルチャンネル動作を考慮し、2枚セット(Dual Kit)で増設するのがベスト!
3. ストレージ(SSD / HDD)の増設・交換可否を調べる
🔍 マザーボード型番を元に、メーカーサイトでストレージ対応情報を確認!
📌 ストレージの種類をチェック
接続方式 | 速度 | 特徴 |
---|---|---|
SATA(2.5インチ SSD / HDD) | 遅め(500MB/s) | 一般的なSSDやHDDを増設可能 |
M.2 SATA | 中速(500MB/s) | 小型SSDだがSATA接続 |
M.2 NVMe(PCIe) | 高速(2000~7000MB/s) | PCIe対応なら超高速SSDが使える |
- M.2スロットがある場合、NVMe SSDに交換すると劇的に高速化可能!
- HDDが搭載されているなら、SSDに換装するとパフォーマンス向上!
4. グラフィックボード(GPU)の増設可否を調べる
🔍 CPU-Zの「Graphics」タブでGPU欄をチェック
→ 「Integrated」なら内蔵GPUのみ、「NVIDIA」や「AMD Radeon」なら外付けGPU搭載
📌 GPUを増設できるかの判断ポイント
- 「Mainboard」タブで「PCIe x16 スロット」の有無を確認
- ケースのサイズ(ミニPCの場合、大型GPUは不可)
- 電源容量をチェック(500W以上推奨のGPUもある)
💡 PCIeスロットがあるなら、GTX 1650 / RTX 3060 などのGPUを追加可能!
まとめ
チェックする情報 | 交換・増設できるパーツ |
---|---|
Socket(ソケット) | CPU(同じソケット対応のもの) |
Memory Type(メモリ種類) | メモリ増設(DDR4 → DDR4, DDR5 → DDR5) |
ストレージスロット(M.2/SATA) | SSD / HDDの交換・増設 |
PCIe x16 スロットの有無 | GPUの増設(グラフィックボード) |
グラフィック情報の確認(GPUの有無)

CPU-Zでは、PCに搭載されているグラフィック機能(GPU)についても基本的な情報を確認できます。
- 内蔵GPUの種類(例:Intel UHD Graphics / AMD Radeon Vega 8 など)
- 外付けGPUの有無(例:NVIDIA GeForce GTX 1650 / RTX 3060 など)
活用ポイント
- 「GPU搭載」と書かれていたのに、実際は内蔵GPUのみだったというケースを防ぐ
- ゲームや動画編集に必要なスペックを満たしているか確認する
CPU-Zを使うことで、販売ページのスペック表記と実際の構成が一致しているかを簡単に確認できるだけでなく、PCのパフォーマンスに影響を与える要素も細かくチェックできます。

小さな筐体で人気のあるミニPCは、機種によって外付けGPUを活用することでスペックを大幅UPさせることができます。Oculink は、ゲーミングPCを求めているユーザーにはピッタリのポートです。


5. まとめ:CPU-Zを使えば、中古PCの性能チェックは簡単!

中古PCを購入したら、まずはCPU-Zを使ってスペックが正しいか確認しましょう。
特に以下のポイントをチェックすることで、スペック詐欺やパフォーマンス低下の原因を素早く把握できます。
- CPUの種類・クロック数・コア数 → 購入時のスペックと一致しているか確認
- メモリの規格・容量・動作クロック → シングルチャンネルの場合はデュアル化を検討
- マザーボードのメーカー・型番・BIOSバージョン → 交換・増設の可否をチェック
- グラフィック情報(内蔵GPU / 外付けGPU) → 必要なスペックを満たしているか確認
もしスペックに問題があったり、パフォーマンスが期待通りでなかった場合は、メモリ増設やSSD換装、CPUのアップグレードなどの対応を検討しましょう。
📌 次のステップ
CPU-Zでスペックをチェックした後、次にできること!
メモリが少ないなら↓
メモリを追加してPCに余裕をもたせましょう!


HDD搭載なら↓
SSDへ換装しましょう!

BIOSが古いなら↓
CPU-Zを活用して、中古PCを最大限に活用しましょう!

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